裁判外での共有の解消
共有者と協力して共有を解消する方法
まず、共有不動産の共有状態を解消したい場合、最も円滑な解決方法は「交渉による売却」です。具体的には、他の共有者に対し、共有者全員で協力して共有不動産を売却し、売却益を共有者間で分配することを提案したり、若しくは、他の共有者に対して自身の共有持分を買い取ってもらうことを打診したりします。また、共有不動産を単独所有したい場合は、他の共有者に対し、その共有持分を買い取ることを打診します。
共有者全員で協力して共有不動産を売却する方法
共有不動産を共有者で協力して売却する場合は、不動産の具体的な売却方法について共有者間で協議します。売却先を不動産業者に委託する場合や、相場に基づいた価格設定を行うことが一般的です。不動産の売却後、その代金を共有者間で分配します。この分配は、各共有者の持分に基づいて公平に行います。交渉による売却が成功すれば、訴訟のような時間や費用を要する手続きを避けることができ、双方にとって負担が少ない解決方法となります。
共有者に自己の共有持分を買い取ってもらう方法
また、共有者の一人に不動産の共有持分を買い取ってもらう場合は、買取価格については、公平な条件で交渉を行い、双方が納得する形にしましょう。買取価格が合意できたら売買契約書を作成し、司法書士に依頼するなどして共有持分の移転登記申請をします。なお、不動産の評価額が低く、管理費用の負担が相対的に大きい事案の場合は、買い取りではなく無償譲渡を提案することもあります。
共有者から共有持分を買い取る方法
他の共有者の全員から共有持分を買い取る場合にも、買取価格が問題となります。買取価格が合意できたら各共有者毎に売買契約書を作成し、司法書士に依頼するなどして共有持分の移転登記申請をします。
業者に共有持分を買い取ってもらう方法
共有者間で協議・交渉が難しい場合は、ご自身の共有持分のみを業者に売却することにより共有状態を解消する方法も考えられます。その際は、売却代金が、相場よりかなり安くなってしまうことが多いですが、他の共有者の協力がなくとも共有関係を解消できます。相場より安く処分することが嫌な方は、別の記事で説明する共有物分割請求を検討することになります。
共有持分を放棄する方法
それでは、上記いずれの方法も採れない場合はどうしたらよいでしょうか。業者が見向きもしないような共有物件の解消方法としては、共有持分を放棄する方法があります。これについては、別の記事で解説しておりますので、そちらをご参照ください。
まとめ
裁判所を利用せずに共有状態を解消する方法は、複数あります。どの方法を選択するかで、時間や労力が全く異なってきます。共有状態の解消を考えている方は、無駄な時間や労力をかけないためにも、是非、一度、川崎ひかり法律事務所にご相談ください。