事故後は手術を受けなくてはいけませんか…?(事故後の事情で賠償額が減額されてしまうことがあるのか?) |川崎で交通事故に強い弁護士への相談

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事故後は手術を受けなくてはいけませんか…?(事故後の事情で賠償額が減額されてしまうことがあるのか?)

はじめに

交通事故の被害に遭った際,損害賠償が支払われます。しかし,被害者(側)に過失があったことにより損害が拡大した場合には,賠償額が減額されることがあります(過失相殺)。

では,事故後の事情で,賠償額が減額されることはあるのでしょうか?

 

■1 治療やリハビリをサボってしまった

医師から勧められた治療やリハビリを理由なく行わないと,治療が長期化したり,後遺障害の有無・程度に影響が出てしまったりすることになるかもしれません。

その場合,被害者にも信義則上の損害軽減義務があるという観点から,過失相殺事由になることや,相当因果関係を否定する事情になりえます。したがって,賠償額が減額される可能性があります。

なお,宗教上の理由による輸血の拒否について,名古屋地裁平成28年12月21日判決(交民49巻6号1531頁)は,過失相殺を認めています。

 

■2 早く職場復帰をして無茶をしてしまった

被害者が就業や日常生活上の動作等の特定の行動をとったことによって,症状が悪くなった場合,当該行動が医師の指示ないし社会通念に反するものでない限り,被害者に過失があったと評価することはできないようです。

したがって,被害者の方の無茶な行為が,医師の指示に反して行ったことや社会通念に反するようなことでなければ,悪化した症状について相当因果関係を否定すべき事情や過失相殺する事情とは評価されません。

 

■3 効果の期待できる手術だけれども受けたくない

手術は身体を傷つけるものであること,そして効果が確実とまではいえないことから,被害者に手術を受けることを強制することはできません。したがって,手術を拒んでいることを理由に,直ちに症状固定や後遺障害の存在を否定することは,実質的に被害者に手術を強いる結果となりかねません。

そのため,被害者が効果の期待できる手術を拒んでいる場合でも,それを前提に症状固定を認め,当該時点の症状を後遺障害として評価すべきであり,被害者が手術を受けなかったことは事故と相当因果関係ある損害の範囲の認定や過失相殺の検討において考慮するにとどめられるべきものと解されています。したがって,手術を拒否したことだけで,賠償額がゼロとなることはないと考えられます。

しかし,手術を拒否する場合は,あらかじめ医師当から当該治療にかかる危険性等のネガティブな情報や反対の見解を得た上で判断することが望ましいでしょう。

 

■4 交通事故の被害の治療中に妊娠した場合

被害者が妊娠・出産したことにより,妊娠・出産そのものによる負荷や妊娠・出産によりリハビリ回数減少により交通事故の被害の症状が悪くなる等の事情が生じることが考えられます。

しかし,大阪地裁平成16年3月19日判決(交民37巻2号356頁)では,妊娠・出産は女性にとって通常予見される事象である以上,被害者に過失があったと評価することはできないとしています。そして,妊娠出産に起因する症状の憎悪・遷延等について相当因果関係を否定すべき事由ないし過失相殺事由とは評価されないとしています。よって,妊娠・出産による症状の悪化で賠償額が減額されるという可能性は低いと考えられます。

ただし,胎児に有害な治療を行っている等の理由で,妊娠を避けるように医師から指導されていたにもかかわらず妊娠し人工妊娠中絶したという場合であれば,過失相殺事由ないし慰謝料を減額すべき事由になる可能性はあります。

 

おわりに

被害者の方が,治療の過程で色々よくわからず,「これをしてよいのか?」逆に「これはしてはいけないのか?」などと悩まれるケースが散見されます。そのようなお悩みを持たれている被害者の方は,交通事故事件に詳しい川崎ひかり法律事務所の弁護士に,是非ご相談ください

この記事を監修した弁護士

船木 彬香(神奈川県弁護士会所属)

日々の生活の中で生じる様々なトラブルに、一つ一つ丁寧に寄り添って解決のお手伝いをしたい、そんな気持ちから弁護士になりました。どのようなことでも、お気軽に相談にいらしてください。依頼された方の目線に立って、より良い解決に導けるよう、ベストを尽くして参ります。

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