被相続人には複数人の子がいて、生前から各相続人に引き継がせる予定で土地が用意されており、依頼者の実家建物も被相続人名義の土地の上に建っている状況でした。
被相続人の死後、相手方となる相続人から公正証書遺言内容が開示され、それによれば、上記実家建物が建っている土地は相手方となる相続人に相続させることとなっていました。
この遺言によれば実家建物を収去しなければなくなるということで、依頼者は大変困っていました。
被相続人の脳梗塞発症後、被相続人と同居していた相続人に有利な公正証書遺言が作成されている状況で、同遺言の無効を争い、最終的に依頼者の意向を反映した形での訴訟上の和解に至った事案
- 性別:男性
- 依頼者情報:年代:40代 続柄:孫(代襲相続人)
実家建物が建っている土地を取得して、建物が存続できるようになることを希望していました。
依頼者からの事情の聞き取り、他の相続人との打ち合わせなどを経て、本件では、遺言者が脳梗塞を発症した後に遺言書が作成されていることが明らかであり、遺言書作成状況についても、遺言者の真の意思確認がなされたといえるか疑わしい状況があるものと判断し、無効確認訴訟を提起する方向で行くことにしました。
公正証書遺言の無効確認の訴えは、かなりハードルが高いですが、材料次第で裁判所も十分主張に耳を傾けてくれます。
遺言について争うためには、そもそも争う余地があるか、立証可能性がどのくらいあるのかなどについて検討する必要があります。
そして、これらの検討の精度は、訴訟で争った経験や判例についての知識などによって大きな差が生じてきます。
相続についてお悩みの方は、ぜひ一度、相続問題に強い川崎ひかり法律事務所にご相談にいらしてください。
最終的に不動産を任意売却する段階では、応答のなかった相続人とも連絡が取れるようになり、周辺問題も解決する形で不動産を売却し、換価を行うことができました。
その他の解決事例
被相続人の生前から紛争が生じていた兄弟間が共同相続人となっている事案で、遺留分減殺請求(当時)を行い解決した事案
遺留分遺言無効- 性別:男性
- 依頼者情報:年代:60代 続柄:四男 他
兄弟8人が共同相続人となる事案で、被相続人の生前から、被相続人に対して行われた成年後見開始決定について争われるなど、紛争が生じている状況でした。
相続人のうちの1人が遺産を全て譲り受けるという遺言書を得ており、同遺言書の有効性の判断を含め、専門家の意見を求めているという状況でした。
公正証書遺言の無効を争い、依頼者の意向を反映した形での訴訟上の和解の成立に至った事例。
遺言無効- 性別:男性
- 依頼者情報:年代:60代 続柄:長男、長女等
生前、被相続人Aは遺言を残さないと言っていたにもかかわらず、相続人のうちの一人に極端に有利な内容の公正証書遺言が作成されているという状況でした。
残りの相続人は、あまりにもおかしいのではないかと、上記相続人に対して修正を求めていましたが、話を聞いてもらえないでいました。
遺言書の有効性が問題となり、遺言書の効力を否定した内容で遺産分割調停が成立した事例
遺産分割調停遺言無効- 性別:男性
- 依頼者情報:年代:50代 続柄:二男
依頼者Xさんの母親Aが亡くなったため、その相続人である依頼者Xさん(二男)は、他の相続人である長男、長女との間で遺産分割に関する話合いを行っていました。
相続財産としては、不動産(土地・建物)や預貯金(数百万円)が主なものでした。
そのため、通常であれば、上記相続財産を、各自が3分の1ずつの割合で相続する権利があります。
ところが、遺産分割協議の中で、長男が、母親Aの遺言書が存在しているとして、上記財産のうち、ほとんどが自分に相続権があるとの主張をされたため、依頼者Xさんは、どのように対応したらよいかと悩み、ご相談に来られました。