鼻の後遺障害
鼻の後遺障害は、大きく分けて、①嗅覚減退②嗅覚脱失③鼻の欠損(鼻呼吸困難も含む)に分けられます。
鼻に関する後遺症ついて適正な判断を受けるためには、問題となる後遺障害に応じた専門的な検査が必須です。必要な検査をした上で後遺障害診断書に結果を記載しなければ、仮に鼻の後遺障害が残っていたとしても、適切な後遺障害の判断がなされません。ですので、鼻に関する後遺症については、必ず交通事故に詳しい弁護士にご相談することをお勧めします。以下、①から④について、ポイントを説明します。
1 嗅覚減退
嗅覚減退とは、嗅覚機能が減少した状態をいいます。
(1) 必要な検査
T&Tオルファクトメーターによる検査が必要です。
(2) T&Tオルファクトメーターによる検査とは?
5種類のにおいを8段階の濃度に設定した上で、嗅覚を計測する検査です。
(3) 嗅覚減退に関する等級
嗅覚減退に関して認定されうる後遺障害等級は、14級になります。
2 嗅覚脱失
嗅覚の脱失とは、嗅覚機能が完全になくなった状態をいいます。
(1) 必要な検査
T&Tオルファクトメーターによる検査が必要です。
(2) T&Tオルファクトメーターによる検査とは?
上記1「嗅覚減退」に記載したのと同様です。
(3) 嗅覚脱失に関する等級
嗅覚脱失に関して認定されうる後遺障害等級は、12級になります。
3 鼻の欠損
鼻が欠損し、かつ、鼻呼吸困難 or 嗅覚脱失を伴うものについて認定されうる後遺障害等級は、9級になります。
なお、鼻が欠損したものの、鼻の機能障害がないものでも、外貌醜状の後遺障害等級認定を受けられる可能性が高いでしょう。