会社の代表者の交通事故でしばしば問題となる企業損害(間接損害)って何ですか? |川崎で交通事故に強い弁護士への相談

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会社の代表者の交通事故でしばしば問題となる企業損害(間接損害)って何ですか?

1 企業損害(間接損害)とは

例えば、会社の代表者が交通事故によって負傷して仕事ができなくなり、それにより受注していた工事を外注せざるをえなくなった場合の外注費を請求できるでしょうか?このように代表者が交通事故によって負傷した場合には、代表者個人の損害ではなく、会社に固有の損害を発生させてしまうことがあります。これが、いわゆる企業損害というものとなります。

 

2 企業損害(間接損害)の裁判例

企業損害について、最高裁昭和43年11月15日判決は、会社とは名ばかりのいわゆる個人会社であり、受傷した代表者に代替性がなく、会社と被害者が経済的に一体関係にある場合に、交通事故と企業損害との間に因果関係が認められる旨の判断を示しています。そして、このような関係が認められるかどうかについては、代表者の業務内容や会社の規模(従業員数、売上額など)、代表者の持株比率等の事情をもとに判断されるものとされております。

この点、外注費については、配管工事等を営む会社の代表者が受傷した際に発注した外注費約400万円について、役員以外に従業員が2~3名しかおらず小規模であり、会社と代表者とが経済的一体関係にあることなどを理由に請求を認める旨判示している判決もあります(横浜地方裁判所平成24年1月30日判決)。

 

3 企業損害(間接損害)は評価が難しい

しかしながら、外注費の請求をしたとしても、企業損害が認められるためには上記のような判例の要件に沿った事実関係に基づく評価が必要となるため、任意の協議段階では相手方保険会社に支払を拒否され訴訟手続が必要となるケースも散見されるところです。したがって、外注費などの企業損害の請求をお考えの方は、あきらめずに示談する前に弁護士と相談することをお勧めします。

会社役員で企業損害(間接損害)に関してお困りの方は、交通事故事件に強い川崎ひかり法律事務所にお早めにご相談ください。

この記事を監修した弁護士

畑 裕士(神奈川県弁護士会所属)

初心を忘れず、日々依頼者のことを第一に考え、信頼される弁護士を目指しています。主な取り扱い分野として、交通事故、債務整理、過払金請求、損害賠償請求、貸金請求、借地借家、離婚、遺産分割などの他、裁判所からの選任事件(破産管財人、成年後見監督人、相続財産管理人等)や川崎市から委託された業務にも従事しております。また、刑事事件や少年事件も扱っており、主な成果として、①準強姦罪の無罪判決、②少年事件における一部犯罪事実なし(強盗致傷罪から傷害罪への認定落ち)の審判などがあります。

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