遺産分割調停の流れと上手く進めるコツ
遺産分割遺産分割調停の流れ 現在の実務では、遺産分割調停は段階的な進行で行われることが多いです。 まず、 ①相続人の範囲 ②遺言書の有無 ③遺産分割協議書の有無 ④遺産の範囲 ⑤遺産の評価 ⑥遺産総額・具体的相続分の確定 ⑦遺産の分割方法の調整 という流れで行われることが一般的です。 遺産分割は複雑な法律問題をはらんでいることに加えて、当事者間の感情的な対立が激しい場合も多い...
遺産分割協議書ってどうやって作るの?
遺産分割はじめに 相続人が複数いる場合、被相続人の遺産をどのように分けるかが決まった場合、遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書は、相続人間で合意した内容を確認するために作成されるもので、紛争の蒸し返しを防ぐのに役立つだけでなく、預貯金の払戻しや不動産の相続登記をする際に必要になります。そのため、遺産分割協議書は慎重に作成する必要があります。では、どのように作成すればいいでしょか? 遺産...
生命保険金請求権の持戻しについて(令和4年2月25日広島高裁判決の紹介)
特別受益生命保険遺産分割1 広島高裁の判決 広島高裁で、令和4年2月25日、「被相続人を保険契約者兼被保険者とし、共同相続人の1人を死亡保険金の受取人とする生命保険契約に基づく死亡保険金請求権について、民法903条の類推適用による特別受益に準じた持戻しを否定した」判決がでましたので、ご紹介します。 2 平成16年の最高裁決定 死亡保険金請求権が民法903条の類推適用による特別受益に準じた持戻しの対象となるか否かにつ...
遺産分割前の預貯金債権の行使について
相続法改正遺産分割1 はじめに 親が急に亡くなり葬儀費用が必要となった。 しかし、親の預金口座が凍結されてしまって、預金が引き出せない。 相続が発生すると、こんな場面はよくあります。 こういった不都合を解消するために、創設された制度が遺産分割前の預貯金債権の行使制度です。 よく預貯金の仮払い制度と言われるものです。 2 遺産分割前の預貯金債権の行使とは? 遺産分割前の預貯金債権の行使とは、遺産分割が未...
【遺産分割調停とは?】
遺産分割調停とは、裁判所で行われる手続ですが、裁判官に判決を出してもらって白黒付けるのではなく、話し合いの結果双方が合意することで紛争を解決する手続です。 要するに、「裁判所で行う話し合い」です。 あくまで話し合いなので、双方合意に至らなければ終了してしまいますが、自主的かつ柔軟な解決が可能です。 また、話し合いといっても当事者だけで行うのではなく、裁判官1人と調停委員原則2人で構成される調停委員会...