あなたが運転していなかったのに賠償額が減額される!?「被害者側の過失」・「好意同乗減額」って何? |川崎で交通事故に強い弁護士への相談

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あなたが運転していなかったのに賠償額が減額される!?「被害者側の過失」・「好意同乗減額」って何?

1 あなたが運転していなかったのに賠償額が減額される!?

交通事故の場合,交通事故の加害者が一方的に悪いというケースは少なく,被害者にも一定程度の過失がある場合がほとんどです。この場合,「過失相殺」といって,あなたが受けた損害の賠償額の一部が減額されることになります(民法722条2項)。

運転をしていた自分にも悪いところがあって減額されるのは納得しやすいでしょうが,あなたが運転していなくても賠償額が減額される場合があるので注意が必要です。すなわち,あなたが車を運転していなくても,被害車両の運転者とあなたの関係性や同乗の経緯・態様によっては,賠償額を減額される可能性があるのです。

 

2 どんな場合に減額されるの?

では,どんな場合に減額されてしまうのでしょうか?

分かりやすいのは,夫婦で車に乗っていた場合です。

例えば,あなたのご主人が運転をしていて,あなたが助手席に乗っていたときに交通事故に遭った場合です。あなたが怪我をしてしまったのならば,あなたは相手の車の運転手に対して損害賠償請求をすることができます。

このとき,交通事故の相手から,「ご主人の運転にもミスがあったので賠償額を減額しろ。」と言われてしまうことがあるのです。あなたからしてみれば,自分は運転していなかったのだから,何の落ち度もないと思われるでしょう。

しかし,判例上,「被害者と身分上,生活関係上一体をなすとみられる関係にある者の過失」も過失相殺の対象になってしまうのです(民法722条2項類推)。これを「被害者側の過失といいます。被害者側の過失が認められるかどうかについては,同居の有無や生計同一性等を考慮して決められます。

そして,一般的には,夫婦は同居しながら同じ家計の中でやり繰りしていることが多いため,「身分上,生活関係上一体をなすとみられる関係」にあるとされます。

したがって,上述のケースでは賠償額が減額されることになります。このような考え方は「損害の公平な分担」という観点からやむを得ないと言われています。そして,夫婦以外でも「被害者側の過失」があるとして減額が認められたケース(内縁関係や親子であった場合等)もあります。

次に,どの程度減額されるかについてですが,この場合は運転者の過失を同乗者の過失として考慮することになるため,事故態様等に即して,運転者に認められるのと同程度の過失相殺を認めることが多いです。

 

3 知人の運転していた車に乗っていた場合は?

では,知人の車に乗っていた場合はどうでしょうか?

単なる知人の車に乗っていたというだけでは,あなたとその知人は「身分上,生活関係上一体をなすとみられる関係」にはないのが一般的ですから,減額は認められません。

しかし,

①交通事故が発生する危険が極めて高いような客観的な事情の存在を知りながらあえて同乗していた場合や,

②同乗者において交通事故発生の危険が増大するような状況を作っていたなどの非難すべき事情が認められる場合

には賠償額が減額されてしまうことがあるのです。いわゆる「好意同乗減額」というものです。

例えば,運転者が飲酒したことや無免許であったことを知っていたのに同乗していた 場合(①のケース)や,原付で二人乗りしていた場合(②のケース)等です。

このような場合,損害額の5%~25%程度減額されてしまうことがあります。

ただし,これらの場合でも一定の事情があれば減額を免れるケースもありますので注意が必要です。

 

4 最後に

このように「被害者側の過失」や「好意同乗減額」といった問題で,そもそも減額されるのか!?減額されるとしてもどの程度の減額されてしまうのか!?ということについては,専門知識が必要になります。
このような問題でお困りの方は,是非,交通事故事件に詳しい川崎ひかり法律事務所の弁護士へご相談下さい。

この記事を監修した弁護士

栁町 大介(神奈川県弁護士会所属)

皆様が体調がすぐれない場合、病院にいくように、法律的なトラブルに巻き込まれた場合には、信頼できる弁護士に相談するのがベスト の方法です。「こんな事を弁護士に相談するのは気が引けるな。」と思われるかもしれません。しかし、些細なことから後々の大きな問題に発展することが多く 見受けられます。私は、地元川崎で、かかりつけの医師のような、身近な弁護士を目指しております。症状が悪化する前に、どうぞお気軽にご相談ください。

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