交通事故による怪我の治療中に,また交通事故に遭ってしまった場合は? |川崎で交通事故に強い弁護士への相談

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交通事故による怪我の治療中に,また交通事故に遭ってしまった場合は?

1 はじめに

交通事故に遭ってしまって,その治療をしている中で,再度交通事故に遭ってしまっ

た場合(このような場合を,「純粋異時事故」といいます。),どのように対応するべきでしょうか?

便宜的に,最初の事故を第1事故,再度の事故を第2事故と呼びます。

 

2 第2事故後の各保険会社の対応

第1事故及び第2事故の加害者が任意保険に入っている場合,保険会社の対応としては,第1事故の保険会社が支払ってくれていた治療費を,第2事故の保険会社が引き継ぐ形で支払ってくれることになります。

ただし,ここで注意が必要なこととして,保険会社が切り替わるタイミングで,第1事故の保険会社が,示談を持ち掛けてくることがあります。

その段階では怪我は治り切っていないはずですから,第2事故による怪我も含めて,怪我が全て治ってからでないと,治療費や慰謝料がどの程度かかるかわかりません。

さらに,第2事故の治療後,後遺障害が残ることが発覚した場合,どちらの事故から後遺障害が生じたかはっきりしない場合もあり,交渉がこじれてしまう可能性が高くなってしまいます。

よって,第1事故の保険会社から示談が持ち掛けられたとしても,安易に応じてはいけません。

 

3 第2事故による怪我の治療後

それでは,第2事故による怪我も含めて完治した場合,どの保険会社にいくら請求することができるのでしょうか。

本来であれば,第1事故及び第2事故でそれぞれ負った怪我の程度に応じて,それぞれの保険会社に請求することになりますが,同一箇所に怪我を負ってしまった場合など,どちらの事故によって怪我が重くなってしまったかのか,各事故による寄与度がわからない場合もあります。

そのような場合,まずは,法律上,共同不法行為(民法719条1項後段の適用ないし類推適用)が成立しないかを検討することになります

共同不法行為のメリットとしては,各事故による寄与度を主張・立証しなくても,

共同行為(両事故)と結果(怪我)の因果関係を主張・立証すれば,良い点があげられます(立証の負担軽減)。

問題は,「共同行為」と認められるには,両事故に一定の「客観的関連共同性」が認められる必要があります。

純粋異時事故の場合,「客観的関連共同性」を否定する裁判例が多数あるので,

どのような場合に「客観的関連共同性」が認められるのかについては,弁護士にご相談ください。

そして,共同不法行為の成立が認められた場合,なんと,各保険会社に対して被害者が被った全損害を請求する(賠償させる)ことができます(※二重取りはできません。)

 

なお,共同不法行為の成立が認められない場合であっても,多くの場合,最終的に,裁判所が各事故と怪我との寄与度を認定し,かつ,事故ごとに被害者の過失割合を認定して,賠償額を判断します。

 

4 おわりに

以上のように,怪我の治療中に再度交通事故に遭ってしまった場合,保険会社との交渉や損害賠償の請求が非常に難しくなります。

治療中に再度交通事故に遭ってしまった場合は,是非とも川崎ひかり法律事務所にお気軽にお問い合わせください。

この記事を監修した弁護士

楠田 真司(神奈川県弁護士会所属)

私は、弁護士という職業が、個人・法人を問わず、人の力になることができることに魅力を感じ、弁護士を目指しました。どのような案件であっても、人の力になれるように、誠実にご対応させていただきます。不安に思うことがありましたら、お気軽に事務所にお越しください。

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