死亡による逸失利益【生活費控除率編】【就労可能年数編】 |川崎で交通事故に強い弁護士への相談

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死亡による逸失利益【生活費控除率編】【就労可能年数編】

前回のコラムでは,死亡事故における逸失利益のうち,「基礎収入」についてお話ししました。今回は残りの要素である「生活費控除率」「就労可能年数」についてお話ししたいと思います。

1 生活費控除率とは?

前々回にお話ししましたが,生活費控除率とは,死亡により,生活費がかからなくなったんだから,その分,損害から差引きしましょうというものです。生活費控除「率」と表現されているように,生活費の控除は割合によって行います。そして,この割合は,被害者の立場によって変わってくるのです。以下,見ていきましょう。

⑴ 一家の支柱

いきなり出ました。「一家の支柱」。いわゆる大黒柱という意味ですが,夫婦共働きが当たり前の現代では,時代遅れな分類のような気がします。でも,裁判実務ではいまだにこの分類が採用されています。では,生活費控除率はどうなるのでしょう。この点は以下のように場合分けして考えるのが実務です。

① 被扶養者が1人の場合・・・40%

② 被扶養者が2人以上の場合・・・30%

このように扶養している者の人数で数字が変わってきます。これは,扶養する者が多い方が自分の生活費を抑制することが多いだろうという理屈に基づくものです。

⑵ 性別(一家の支柱を除く)

またもや性別という時代遅れな分類。では,生活費控除率はどうなっているでしょうか。

① 女性・・・30%

② 男性・・・50%

男女で20%も違います。女性の方が生活費を使わないから???そうではないようです。生活費控除率のこの差は,やはり男女間の経済的格差を埋めるためのものと言われています。女性の経済的地位が上がり,このような区別をしなくていい時代が来るといいですよね。

2 就労可能年数とは?

あと何年働けるかも,逸失利益の算定においては重要です。これを「就労可能年数」といいます。これはどうなっているでしょう。

① 原則として67歳

② 67歳を超える人は,平均余命の2分の1

③ 67歳までの年数が平均余命の2分の1より短くなる人は,平均余命の2分の1

④ 働く前の人は原則として18歳から働いたこととするが,大学卒業が見込まれる場合は大学卒業予定時

現在,高齢者雇用安定法が制定され,定年の延長の動きがあります。これにより,就労可能年数も変わってくるのでしょうか。様子を見ましょう。

3 まとめ

以上,3回にわたり,「死亡による逸失利益」の説明をさせていだきました。損害賠償論としては,このとおりですが,やはり死亡事故は痛ましいものです。自動車の運転をされる方は,細心の注意を払い,死亡事故を発生させないように注意しましょう。

この記事を監修した弁護士

坂本 正之(神奈川県弁護士会所属)

市民のために開かれた法律事務所を目指して、当事務所を設立しました。法律事務所の門を叩かれる方は、大きな不安を抱えている方ばかりです。親身なリーガルサービスにより、そのような方々の支えとなり、1つでも多くのトラブルを解決していきたいと思っております。

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