自営業者(個人事業主)の休業損害【基礎収入編】 |川崎で交通事故に強い弁護士への相談

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自営業者(個人事業主)の休業損害【基礎収入編】

1 はじめに

個人事業主が事故に遭ってしまった場合,どのようにして休業損害を算定して請求することになるのでしょうか?

自営業者であっても休業損害の算定式はシンプルで,

 

休業損害 = 基礎収入日額 × 休業日数

 

となります。しかし,「基礎収入」を具体的な事案でどのように算出するのかについては,いろいろ難しい問題が出てきます。

 

2 自営業者の基礎収入の原則的な考え方

  

自営業者の基礎収入は,原則として,事故の前年度の所得税確定申告書の「所得金額」で認定します。具体的な認定方法は,次のとおりです。

(1)白色申告の場合

収支内訳書から次のように所得金額を算出します。

 

「売上(収入)金額」-「売上原価」-「経費」-「専従者控除」=「所得金額」

      

(2)青色申告の場合

損益計算書から次のように所得金額を算出します。

   

「売上(収入)金額」-「売上原価」-「経費」-「専従者給与」=「所得金額」

   

3 自営業者の基礎収入・固定経費の問題

前記2の原則的な考え方では,売上(収入)から全ての「経費」を控除して所得金額を算出していましたが,この「経費」を細かく分析すると,売上によって変動する「変動経費」と売上とは無関係にたとえ休業期間中であっても支出せざるを得ない「固定経費」に分けられます。

このうち「固定経費」は,基礎収入算出の際に,売上(収入)から控除すべきではないのではないか?また言い換えれば,前記2の原則的な考え方で算出した「所得金額」に「固定経費」を加算して「基礎収入」と考えるべきではないのか?といったことが問題となっていました。

  現在の裁判所の大勢は,基礎収入算出の際に売上(収入)から「固定経費」を控除しない考え方となっています。言い換えれば,

「基礎収入」=「所得金額」+「固定経費」と考えています。

 

4 固定経費の範囲

では,固定経費とは具体的にどの費目が該当するのでしょうか?

何が固定経費に該当するのかについては事業内容によるので,個別の事案ごとに判断します。

次の費目は固定経費と評価されることが多いと言われています。

  • 地代家賃・従業員の給料賃金・減価償却費・租税公課・損害保険料・利子割引料・広告宣伝費
  • 水道光熱費,固定電話,携帯電話,インターネット通信費については,基本料金部分

 

5 固定経費の注意点

被害者の休業が長期化しそうな場合は,被害者側にも損害拡大防止義務があるので,可能な限り,固定経費の支出を最小限に抑える努力が必要となってきます。個々の事案によっての判断となりますが,例えば,広告宣伝費の削減,賃貸借契約の一部解除,従業員の休職等を検討します。

 

6 おわりに

以上のように,自営業者(個人事業主)の休業損害については,基礎収入の認定に難しい問題が含まれており,事案毎の判断が必要となります。また,どこまで固定経費に関する損害拡大防止義務を果たすべきかも難しい問題です。そのため,不幸にも交通事故被害に遭われた自営業者(個人事業主)の方は,すぐに,交通事故事件に強い川崎ひかり法律事務所の弁護士相談することをおすすめします。

 

この記事を監修した弁護士

船木 彬香(神奈川県弁護士会所属)

日々の生活の中で生じる様々なトラブルに、一つ一つ丁寧に寄り添って解決のお手伝いをしたい、そんな気持ちから弁護士になりました。どのようなことでも、お気軽に相談にいらしてください。依頼された方の目線に立って、より良い解決に導けるよう、ベストを尽くして参ります。

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