交通事故用語解説:「過失相殺」ってなに?
池田博毅過失相殺過失相殺(「かしつそうさい」と読みます。)という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。
過失相殺とは,事故の発生や損害の拡大について被害者に何らかの落ち度がある場合に損害の賠償額を減額する制度で,不法行為や債務不履行の損害賠償一般に適用される制度です。
不法行為による損害賠償請求制度の趣旨は「損害の公平な分担」にありますが,過失相殺の制度はまさにこのような趣旨に基づく制度です。
交通事故の損害賠償請求(これも不法行為の一種)では,ほぼ必ずといっていいほど過失相殺が問題となります。
現在の実務では,まず総損害額を算出したうえで,過失相殺して賠償額を算定します。また,事故類型ごとの比率が定められた過失相殺基準が発表されており,基本的にはこの基準に基づいて過失相殺の割合が決められることがほとんどです。
この「過失相殺基準」は,実に様々な事故類型について,様々な修正要素を考慮するようになっています。細かい説明はしませんが,「100対0」になるケースはレアであるということは知っておいた方がよいかもしれません。
この記事を監修した弁護士
池田 博毅(神奈川県弁護士会所属)
2001年に弁護士になってからというもの弁護士になってよかったなと実感する毎日を送ってきました。苦しいことつらいこともままありますが,依頼者から感謝の言葉をいただくたびにそんなものは吹き飛んでしまいます。事務所のポリシーとして掲げている「正義は勝つ」という言葉・・・「正義」とは難しい概念です。それぞれの人に正義があり,それぞれの立場に正義があるときに「正義」の名の下にひどいことが行われたりもします。それでも私は「正義」というものが実在し,「正義は勝つ」と信じています。そのために少しでもお役に立てるよう努力していきます。