物損のみの場合でも,慰謝料は請求できるの? |川崎で交通事故に強い弁護士への相談

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物損のみの場合でも,慰謝料は請求できるの?

1 自動車が破損した場合,修理費用以外に,どのような費用を請求できる?

以前のコラムにおいて,自動車が破損した場合に請求できるものとして,修理費用レンタカー代評価損休車損害を取り上げましたが,今回のコラムでは,物損を理由とする慰謝料を扱います。

 

2 物損の慰謝料とは

交通事故に遭い,怪我をしてしまって病院に通院しなければいけなくなった場合や,後遺障害が残ってしまった場合は,そのような精神的苦痛を慰謝するために慰謝料を請求することができます。しかし,この慰謝料は,あくまで人損に関する慰謝料です。人損に関する慰謝料以外に,例えば,交通事故によってお気に入りの車が破損した場合,修理費用以外に,そのこと自体について慰謝料を請求することができるのでしょうか。

結論として,物損を理由とする慰謝料は,原則として認められません。物損において侵害される利益が財産権である以上,損害も財産的な損害(修理費用等)に限られると実務上考えられているからです。

 

3 物損の慰謝料の例外

それでは,交通事故によって,物が破損した場合,どんな場合でもその修理費用といった財産的な損害を補填するものしか請求できないのでしょうか。実務においては,財産権とは別個の権利・利益が侵害されたと評価される場合には,例外的に物損の慰謝料が認められることがあります。例えば,夜間自宅で就寝中にトラックが衝突して自宅が破損した場合は,住居の平穏が害されているとして,慰謝料請求が認められたケースがあります。また,車に同乗していたペットが交通事故に巻き込まれて死亡してしまった場合にも,飼い主にとってかけがいのない存在であるとして,慰謝料請求が認められたケースもあります。

4 おわりに

以上のように,物損を理由とする慰謝料は,原則的には認められないこととなりますが,具体的なケースによっては,慰謝料請求が認められるものもあります。物損を理由とする慰謝料請求を希望する場合には,事前に弁護士と相談することをお勧めします。

この記事を監修した弁護士

楠田 真司(神奈川県弁護士会所属)

私は、弁護士という職業が、個人・法人を問わず、人の力になることができることに魅力を感じ、弁護士を目指しました。どのような案件であっても、人の力になれるように、誠実にご対応させていただきます。不安に思うことがありましたら、お気軽に事務所にお越しください。

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