給与所得者の休業損害の算定について~損をしないために
休業損害休業日数基礎収入楠田真司給与所得者1 基礎収入と休業期間
休業損害の算定方法として、事故前の収入日額等の「基礎収入」に「休業期間」を乗じて算定する方法があります。この場合の「基礎収入」と「休業期間」の算定の仕方にはいくつかのバリエーションがあり得ます。
「基礎収入」の算定については、
① 休日を含んだ一定期間の平均日額を基礎収入とする方法
② 休日を含まない実労働日1日当たりの平均額を基礎収入とする方法
があります。
次に「休業期間」については、
ア 休日を含む休業期間とする方法
イ 実際に休業した日数とする方法
があります。
2 基礎収入と休業期間の組み合わせ
基礎収入と休業期間の組み合わせについて、上記の①とア、②とイという組み合わせで行われる場合には、結論に大きな差は生じません。
一方で、基礎収入を①で算定しながら、休業期間をイとして休業損害を算定すると、金額が過少になってしまいます。
立証の問題などがあり、①とイの組み合わせで算定せざるを得ないこともありますので、直ちに不適切な算定方法とまではいえませんが、そのような算定が困難な事情がない場合であれば、①とアないし②とイのどちらかの組み合わせで算定するのが妥当でしょう。
保険会社の提示案では、①とイの組み合わせによって休業損害を算定している例が多く見られますので、よく検討する必要があります。
3 最後に
保険会社から休業損害の提示があった場合など、適切な計算になっているか不明な場合などは、是非川崎ひかり法律事務所までお問合せください。
この記事を監修した弁護士
楠田 真司(神奈川県弁護士会所属)
私は、弁護士という職業が、個人・法人を問わず、人の力になることができることに魅力を感じ、弁護士を目指しました。どのような案件であっても、人の力になれるように、誠実にご対応させていただきます。不安に思うことがありましたら、お気軽に事務所にお越しください。