事故で高齢者の方が亡くなったときの慰謝料はいくら? |川崎で交通事故に強い弁護士への相談

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事故で高齢者の方が亡くなったときの慰謝料はいくら?

1 慰謝料の金額は裁判所の裁量で決まる!

不幸にも被害者が亡くなった場合の交通事故の裁判では,慰謝料の金額について,「本件事故の態様,被害者の年齢,職業…等本件に現れた一切の事情を考慮すると,〇円と定めるのが相当である。」という判決が下されることが多いです。このように,慰謝料の金額は裁判所の裁量がかなり強く働く損害項目と言えます。もっとも,裁判官によって慰謝料の金額が変わってしまうというのでは不公平な気がしますよね。そのため,裁判官や当事者が納得しやすいように一定の基準があります。

2 死亡慰謝料の基準

日弁連交通事故相談センター東京支部が出している,いわゆる「赤い本」によれば,交通事故によって被害者が亡くなった場合の慰謝料の金額については,「一家の支柱2800万円,母親・配偶者2500万円,その他2000万円~2500万円」という基準が示されています(令和2年版)。このように死亡慰謝料については一応の基準が示されていますが,交通事故の態様や被害者の年齢・職業,事故後の加害者の対応等の色々な事情を検討して,個別の事案に応じた増減がなされることになります。

3 高齢者の場合はどうなる?

先程の判決文の中に「被害者の年齢」とありましたね。では,高齢者の方が交通事故で亡くなった場合は慰謝料の金額はどうなるのでしょうか?

ある文献では,一般に高齢者は稼働可能年数が短いため,通常多額の逸失利益が認められることがなく,慰謝料額まで減額されると賠償額全体が低額となり,遺族にとって納得のいく結果が得られないという理由で,高齢者であるという理由だけで減額すべきではないと言っています。

他方,ある裁判官は,「人生を享受することなく命を奪われた子供と,人生をほぼ全うして余命も少ない高齢のお年寄りとを慰謝料の額において同列に扱うことにはどうしても抵抗がある。」と言っています。

結論としては,現在の裁判実務では,高齢者の方が亡くなった場合には上記基準の「その他2000万円~2500万円」を下回る額が認定されることが多いと言わざるを得ません。もっとも,高齢という理由だけで2000万円を大きく下回るということはなく,減額されても1800万円程度までのことが多いようです。

そんな状況の中,慰謝料額の認定について交通事故訴訟とパラレルに考えられていると言われてきた医療訴訟に携わってきた裁判官が,「医療訴訟における高齢者が死亡した場合の慰謝料に関する一考察」という論文を有力な裁判雑誌に掲載し,注目を集めました。その概要は,医療訴訟の場合には交通事故と同様に考えるのではなく,医師に責任がある場合の死亡慰謝料の最低額を200万円とし,そこから患者の年齢,医師の過失・責任の程度等の事情を考慮して加算していくべきというものです。「医療訴訟の場合」という限定がされてはいますが,この考えの根底には高齢者の場合には慰謝料の金額をもっと下げるべきだという発想が見え隠れしているように感じます。

現在の高齢化社会においては,今後益々高齢者の方が亡くなる事故が増えていくでしょう。確かに,現在の裁判実務では高齢者の方が亡くなった場合は慰謝料の額が減額される傾向があります。しかし,一弁護士としては,遺族の方々の苦しみが少しでも和らぐようこの流れに歯止めを掛けたいものです。以 上

この記事を監修した弁護士

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